藤田早苗:国際・国内活動報告 (2018年4月―7月)

 

藤田早苗:国際・国内活動報告 (20184月―7月)

 

 

 

皆様へ

  

まだまだ暑い日が続いているようですが、皆様体調はいかがでしょうか。いつも私の活動を応援してくださりありがとうございます。4月から7月までの活動報告をさせていただきます。

 

日本での講義講演ツアー

 5月の連休明けから約6週間日本で講義講演を行い、今回は13大学で15コマの講義と10か所(仙台、酒々井、東京、横浜、名古屋、大阪、神戸、高松、善通寺、徳島)での講演(一般公開講義も含む)を行いました。企画、参加してくださった皆様ありがとうございました。

  

13大学で私の話を聞いた学生は合計1800人くらいになりますが、今回も「知らなかった」「日本はもっとまともだと思っていたのに驚いた」という感想が多くありました。そうやって目覚めた学生や、すでに関心の高かった学生は各大学に必ずいます。そういう学生たちの横のつながりを作るために、今回は東京と大阪で懇親会を開きました。東京では9大学から20人の学生と卒業生、留学終了生が集まり、大阪でも10人ほど集まり交流を深めました。

 

また今回画期的だったのは、私の講演会を神戸大学の学生が自ら企画したことでした。これまで神戸の3つの大学には招聘されて行ったことがありましたが、神戸大学はいろんな理由でゲスト講師を呼ぶのが難しく、行ったことがありませんでした。しかし、ある場所で私の話を聞いた神戸大学の学生二人が「神戸大だけ呼べないなんて恥ずかしい。大学が呼べないなら自分たちで企画します」と全く未経験ながら企画をしました。そして当日は他大学の学生も含め約50人が集まり、彼らにとっても大変良い経験になったようです。今後も学生への働きかけは重視していく予定です。

 

次回の一時帰国は11月の末から1月中旬までを予定していますが、すでに講演会や講義の依頼をいただいており、調整を始めました。一般向けの企画は現時点で神戸(11/30)、島根(12/7)、岡山(12/8) 大阪(12/9)東京(12/14)、などが決まっています。ほかに企画をご希望の方はご連絡ください。

 

国連などへの情報提供

 6月の人権理事会では表現の自由に関する特別報告者デビッド・ケイ氏が報告されましたが、私もその間ジュネーブでケイ氏とご一緒し、放送法改定問題や改憲問題などの日本の状況のアップデート情報をお伝えしました。改憲に関しては特に緊急事態条項について話し合いました。

 

また、今年5月には「極度の貧困と人権」に関する国連特別報告者のフィリップ・オルストン氏ら4人の特別報告者が共同で日本の生活保護の引き下げについて警鐘を鳴らす声明を発表していますが、今回ジュネーブではオルストン氏ともお話し、彼のアシスタントとじっくり日本の件について議論してきました。

 

加えて、女性への暴力、デモクラシー、環境と人権、などのそれぞれの担当官に日本の状況を伝え意見交換してきました。今後もケイ氏やほかの特別報告者とその担当官には、随時必要な時には連絡を取り、情報提供を続けていきます。

 

イギリス・欧州での活動

最近、欧州でも講演やパネリストの依頼をいただき、この春はドイツ、オランダ、ロンドンで日本の人権問題についてお話しました。特にロンドンでの講演は司会が元BBCのジャーナリストの方で、多くの英国メディアや元在日英国大使館の大使の方なども参加され、満席となりました。

 

動画と報告のリンクです。 

https://www.youtube.com/watch?v=t5rtwBd6PtE

http://dajf.org.uk/event/human-rights-in-japan-freedom-of-expression-the-media-and-the-constitutional-amendment

http://www.allaboutshipping.co.uk/2018/05/13/human-rights-in-japan/

  

また、私は3年前からロンドンで日本からの留学生と「日本を外から学ぶ学習会」を定期的に企画しており、6月には東京新聞の望月記者にスカイプでお話しいただきました。50人以上の在英邦人と日本人留学生が集まり、たいへん活発な会となり望月さんも「参加者のレベルが高い」と感動されていました。 

https://www.facebook.com/japanfromoverseas/posts/2000098403336497

 

海外で日本の問題を定期的に議論するこのような学習会は世界でここだけだと思います。

 

この学習会には、伊藤詩織さんも2回参加されました。私は昨秋彼女とロンドンで知り合い、その後も連絡を取り合っています。6月には彼女の事件に関するドキュメンタリーがBBCで放映され、大きな波紋を呼んでいますが、私も彼女の件を通して明らかになってきた日本の性暴力や性差別の問題も国際社会に伝えていくつもりです。

 

また次回の一時帰国ではこのドキュメンタリーやほかのBBCの番組も紹介しながら、イギリスや国連から見た日本の性差別の問題についてもお話したいと思います。

 

次回の一時帰国は11月の末から約7週間の予定で、すでに中京大学などのいくつかの大学での授業と大阪、神戸、島根、岡山などでの講演が決まっています。

 

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

 

20188月28日   藤田早苗