国内・国際活動報告(2018年11月―2019年3月)
2019年4月1日
みなさま、お元気でしょうか。イギリスはまだ寒いのですが、日本は桜の時期だと思います。
いつも私の活動を支えてくださりありがとうございます。
この約5か月の活動報告をさせていただきます。
昨年11月の末から今年の1月の半ばまで、また日本で講義講演ツアーを行いました。今回は島根や岡山など初めての場所も複数あり、12大学で17コマの授業と10か所で一般向けの講演を行いました。今回も大学では合計で2000人以上の学生に話したことになりますが、寝ている子も少なく、真剣に聞いてくれていました。特に奈良女子大や青山学院大学では、日ごろ授業で社会の問題に触れることの少ない理系の学生のクラスで話し、かなりの衝撃を与えたようでした。また、昨年から「Dr 藤田をHubとして繋がろうの会」というのを立ち上げて、大学の枠を超えて学生が繋がる機会を作る試みを始め、今回は東京と大阪で懇親会をしました。下は学生からのメールやコメントの一部です。
「今日の講義を通して、世界から見た日本の実情についてもっと理解を深めたいと強く思いました。なので、もしまた国内で講演会があるようでしたら、その際にはぜひ参加させて頂きたいと思っております。今日から日本メディアの報道だけでなくBBCなどの情報も頻繁にチェックし、日本の情勢を客観的に考えていきたいと思います。」
「1週間ほど前になりますが成人式を迎えました。大人の仲間入りになります。今まで私はニュースをあまり見ていなくて世間のことを何も知りませんでした。19歳のタイミングで藤田先生とお会いし、そして他大学の方々とお話する会に参加しました。そこで本当に自分が何も知らないことを痛感しました。でも、10代最後20代の始まりでそういったことに気づけて良かったと思っています。これからは1人の大人として世間に目を向け自分の考えをしっかり持っていこうと思っています。まだまだ未熟で分からないことも多く、会に参加した時に積極的に議論を交えることはできないとは思いますが徐々にできるようになっていきたいと思います。」
若者が反応してくれるのは、希望です。今後も地道に種を植える活動を続けていきたいと思います。
日本の若者への働きかけはイギリスでも続けており、年に4回ロンドンで「日本を外から学ぶ学習会」を企画しています。毎回40-50人の参加があり、その大半が日本からの留学生です。11月には高橋宗瑠さんに「ビジネスと人権」について日本企業の問題を、そして2月には内山宙弁護士に改憲問題についてそれぞれスカイプでロンドンに向かってお話しいただきました。今後は在日コリアンとヘイトクライムの問題、沖縄の県民投票などについても学習会を企画する予定です。
また、私が毎年エセックス大学で指導しているものに院生主導の「アジアの人権カンファレンス」があります。今年は3月23日に行いましたが、この企画に合わせて、福島からイギリスに避難されている園田さんをお招きし、「福島の事故から8年:今何が起きているのか?」という講演会(英語)を大学で催しました。福島の問題は国際問題であることを、世界からの留学生に伝える貴重な機会になりました。
(写真と報告です)
https://www.facebook.com/sanae.fujita.142/posts/10157205809117372
https://www.facebook.com/EssexHRC/photos/a.10150114683251162/10157606905256162/?type=3&theater
3月の初めには人権理事会のために再度ジュネーブ出張を行い、日本の人権問題をそれぞれの担当官に伝えてきました。今回は特に、デビッド・ケイ氏が公式訪問した国のフォローアップ報告書を作成するということで、最近の望月記者と官邸の問題と新聞労連の動き、ジャパンタイムズの徴用工の英訳問題などを説明してきました。そのほかにも、女性への暴力、貧困、デモクラシー、汚染物質などの専門家の担当官に日本の生活保護引き下げと武器の購入、沖縄の県民投票、福島の問題などについて情報提供し意見交換しました。
毎回ジュネーブに行くたびに感じるのは、「日本は放っておけない国になっている」ということがだんだんよく理解されるようになってきているということです。日本の人権問題に取り組む時に、国際社会との連帯は不可欠です。今後も様々な機会に発信していきたいと思います。ジュネーブにはケイ氏が人権理事会で報告される6月下旬からの人権理事会に合わせてまた行く予定です。
次回は5月後半から5週間ほど日本の予定ですが、すでに首都圏や関西以外に、新潟や群馬の大学から依頼をいただいております。またみなさまのお知り合いで、私の講義にご関心のありそうな先生方がおられたら、ご紹介いただけると幸いです。日程などの調整ができれば、お伺いさせていただきます。
また、一般向けの企画も現在、新潟(5月21日)と横浜(6月2日)が確定しておりますが、他の場所でもご希望があればぜひご連絡ください。
「国際社会から見た日本のメディア、ジェンダー、貧困、ヘイト」を中心に国連での経験を引用しながらお話しさせていただきます。
日本の講義や講演で話していて感じるのは「そもそも人権とは?」ということが十分に理解されていない、「思いやりと人権は違うのだ」という大原則を理解している人が非常に少ないということです。そういう大原則や、国際基準から見た日本の問題を多くの人に知ってもらえるように今後も地道な活動を続けていこうと思います。これからもみな様のご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
藤田早苗
カンパについてはこちらをご参照ください。https://hyogen-tsutaeru.jimdo.com/
画面の背景写真は、ジュネーヴのパレ・ウィルソン
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